女池菜

新潟県の伝統野菜、女池菜について。

女池菜

 

新潟県鳥屋野地区女池を中心に、古くから栽培されているアブラナ科のとう菜の一種。小松菜の中まで、しゃもじのような形をしている。とう菜の種類でも、「とう」もまだ短く、蕾もほとんどでないものが出荷されている。シャキシャキした食感と甘味、ぬめりがある。明治の初期に、女池新田の素封家*1・新田半人(にったなかと)氏が新潟市の流作場地区*2の玄的*3から「新潟県特産小芸の元祖」といわれている「女池菜」の種子を、隣人の蒲沢家(かばさわけ)に持ち込んで栽培したのが、この菜の栽培の始まりと言われている。当初は「玄的菜」といわれ、蒲沢家では明治時代から現在も、この菜の種子を採種し続けている。女池菜は、ハウス栽培は行わず、いったん雪の下で越冬させてから、雪解け後に、トンネル栽培をおこなってから出荷している。現在も純正「女池菜」の種子は、鳥屋野地区以外への持ち出しは禁止されている。

 

 

 

*1:大金持ち、資産家、金満家。

*2:流作場(りゅうさくば)は、湖沼や河川の沿岸にある、堤外の新田。

*3:玄的(げんてき) 1889年(明治22年)から1954年(昭和29年)まであった大字。 信濃川支流西川左岸の低平地に位置する。 もとは江戸時代から1889年(明治22年)まであった玄的新田(げんてきしんでん)の区域の一部で、地名の由来は開発者安倍玄的にちなんだもの。